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ここ数年コーヒーの焙煎がブームになっています。
より本格的な焙煎機を求めて、個人で業務用マシンを買われる方も増えているそうです。
業務用の焙煎機って、控えめにいってもマジカッケー!ですもんね。
ちなみにウチはaillio BULLET R1 V2という焙煎機を使っているんですが、SNSを通じて使用感やプロファイルなどのご相談をいただくことがあります。
そこで今回は、購入を検討中の方に向けたaillio BULLET R1 V2の紹介と、個人的な感想や気づいた点などをまとめてみました。
aillio BULLET R1 V2ってどんな焙煎機?
aillio BULLET R1 V2は、台湾のaillio社が開発した小型の業務用焙煎機です。
モダンデザインの本場デンマークで設計されたこの焙煎機は、業務用とは思えないユニークで愛らしい外観が特長。
胴長&四足のフォルムは、焙煎機というより……動物?
サイズもちょっとデカめの柴犬くらい。リードを付けたら今にも散歩に連れて行けそうな雰囲気です 笑
ちなみに一部ユーザーの間では、“黒豚ちゃん” の愛称で呼ばれているそうですよ。
日本では、以下の2社が公式ストアとして販売やサポートを請け負っています。
気になるスペックはどんな感じ?
■aillio BULLET R1 V2 スペック
熱源 :IH(=電磁誘導加熱式)
電圧 :単相200V、50/60Hz
消費電力 :1550w
ドラム :5.9L(鉄製/複数攪拌羽)
投入方法 :手動
排出方法 :手動
焙煎温度 :最大245℃
焙煎容量 :最大1000g、最小100g
月間焙煎量:100kg未満
大きさ :幅310mm/高さ420mm/奥行590mm(クーリングトレイを含めると750mm)
重さ :18kg
価格 :590,000円(税込)~
以上が本体のスペックで、これに生豆を投入するための “ファンネルホッパー” と、焙煎後の豆を冷却する “クーリングトレイ” が標準構成で付属します。
さらに、PCと連動して焙煎データを記録しておくことができる専用のソフトウェア「RoasTime」も付いているので、プロファイルの管理もバッチリです。
サイズを比べてみると
以下はサイズ感、最大焙煎量の近い業務用焙煎機の一覧です。
メーカー/名称 | サイズ(幅×高さ×奥行) | 重さ | 最大焙煎量 |
aillio BULLET R1 V2 | 310×420×750mm | 18kg | 1,000g |
フジローヤル COFFEE DISCOVERY | 416×706×661mm | 40kg | 250g |
フジローヤル R-101 | 490×915×717mm | 69kg | 1,000g |
CEROFFEE PRO CRF-800 | 580×610×580mm | 約40kg | 600g |
Giesen W1A | 645×960×1,130mm | 150kg | 1,500g |
PROBAT PROBATINO タイプ2 | 700×811.5×1,130mm | 115kg | 1,000g |
DIEDRICH IR-1 | 720×690×1,070mm | 56.8kg | 1,000g |
最大1kgまで焙煎ができて、このサイズ感は圧倒的なアドバンテージですよね。
しかも本体には排気とチャフを分離する “チャフコレクター” も内蔵。
別途、購入・設置する必要はありません。
重量もちょっと大きめの家電と大差ないくらいなので、これなら一般家庭への設置もかなり現実的といえるのではないでしょうか?
気になるお値段は?
aillio BULLET R1 V2の価格は、2023年4月現在で53万3,500円(税込)から。
一方、競合となる他の焙煎機は多くが非公開・要見積となっています。
ちなみにもっとも価格が近いのは、フジローヤルのCOFFEE DISCOVERYで+10万円ほど。
同じ1kg釜のR-101だと2倍強、その他はaillio BULLET R1 V2が数台買えるくらいのお値段です。
さらに排気や消煙のための設備も含めると……結構いいクルマが買えそうですね。
その点、aillio BULLET R1 V2は、1kg釜の焙煎機にデータロガーも標準装備で50万円台ですから、コスト面では完全に他を圧倒しています。
今後もaillio BULLET R1 V2を入手してマイクロロースターを開業する人はどんどん増えていきそうですね。
aillio BULLET R1 V2 の使用感は?
aillio BULLET R1 V2を使っていてよく聞かれるのが、“使用感” についてです。
他のメーカーに比べて価格が格段に安いことや、熱源が電気(IH)なこと、臭いや煙はどれくらい出るのか等々、気になっている方が多いようです。
ちなみに私がこれまでに触ったことのある業務用焙煎機は、
- フジローヤル COFFEE DISCOVERY
- フジローヤル R-101(1kg釜)
- ラッキーコーヒーマシン TLR-10(10kg釜)
の3機種くらいしかないのですが、aillio BULLET R1 V2を約1年使ってみた感触としては、
間違いなくお値段以上! 買って大正解だったと思っています。
以下によかった点とイマイチだった点をそれぞれ挙げてみます。
aillio BULLET R1 V2 の気に入ったところ
まずは使ってみて「いい!」と感じたポイントから。
・付属ソフトの「RoasTime」がとても優秀で使いやすい ←重要
・熱源がIH式なので、豆の芯までしっかり熱が伝わる
・前面パネルの窓が大きく豆の様子が見やすい ←重要
・メンテナンス性がよく、日々のお掃除がかんたん
・見た目がかわいい
なかでもとくに強調しておきたいのが、前面パネルの大きな窓と
付属のデータロガー「RoasTime」の2つです。
「覗く」ではなく「観察できる」大きな窓
COFFEE DISCOVERYやTLR-10にも覗き窓はありますが、直径3~4cmと小さめ。
豆の色や表情を確認するには少々見づらく、テストスプーンに頼ってしまいがちでした。
一方、aillio BULLET R1 V2の窓は、横長の8.8cm×4cmとかなり大きめ。
付属のLEDライトも明るく、色の変化やしわの伸び具合までしっかり見えるので、煎り止めの直前までテストスプーンを抜くことはほぼなくなりました。
刻々と変化する豆の様子を観察できるのは焙煎しやすいだけでなく、勉強にもなりますよね。
焙煎を視覚化してくれるサポートソフト
もう1つ、強調したいポイントが専用のデータロガー「RoasTime」の優秀さです。
これをPCにインストールしてaillio BULLET R1 V2と接続すると、焙煎機のコントロールや温度変化のログをすべてPC上で操作、確認できるようになります。
豆温度とドラム温度、各ROR(時間経過による温度上昇値)がリアルタイムでグラフ表示されるのが、何より素晴らしい!
今の焙煎状況やここまでの工程を直感的に把握することができます。
焙煎中、過去のデータを背景に表示しておくこともできるので、焙煎の再現もかんたんです。
なお、記録されたデータは「Roast World」というWebサイトに共有されます。
つまり他のユーザーの焙煎データを見て、参考にすることもできる!
掲示板としての機能もある(英語)ので、コミュニケーションや情報収集にも役立ちそうです。
aillio BULLET R1 V2 のイマイチなところ
続いては、できれば改善してほしいなぁ、と感じた点です。
・クーリングトレイの音、振動がめちゃくちゃうるさい ←重要
・火力(熱量)のコントロールが0~9の10段階のみ
・焙煎中、チャフがボロボロ出てくる
・排気口とダクトをつなぐ専用アダプターがしょぼい(3Dプリンタ製?)
購入を検討中の方はとくに上の2つに注意が必要かもしれません。
200Vコンセントは必須⁉
aillio BULLET R1 V2は、どこのご家庭にもある100Vのコンセントには対応していません。
設置場所の近くに200Vコンセントがない場合、電気工事が必要になります。
工事費は現場の状況によりけりで、費用としては1~2万円ほど。
ちなみにウチは2万円弱(税込)かかりました。
※賃貸物件の場合は前もって大家さんに工事の許可をもらっておきましょう。
ただし、昇圧機が原因で本体が故障した場合、代理店の保証が受けられないこともあるそうなので、ここでは非推奨。環境的にどうしても工事ができないときの最後の手段くらいに考えておくのがいいかもしれませんね。
豆はよく冷える……けど、かなりの爆音!
クーリングトレイにはPCなどで見かけるような小型のファンが内蔵されています。
これがかなり強力で冷却力は十分なのですが、そのぶん音と振動がヤバイです。
参考程度にスマホアプリの騒音計で測ってみると、およそ60~80db。
体感では数メートル離れた人の声やテレビの音声がほぼ聞き取れないレベルの音量です。
お客さんのいる店内で使うには、何か対策が必要かもしれませんね。
また、冷却中のファンの振動も侮れません。
あまりにうるさいので、ウチではクーリングトレイの底面にゴム足+フェルト製の防振パッドの二重装備で対策しています。
防音・防振対策のゴム足にはこんなのをチョイス。
さらにフェルト製の防振パッドで接地面との振動を抑えています。
まとめ
手が届きやすい価格帯でありながら、焙煎機に求められる必要十分な機能を備えたaillio BULLET R1 V2。
個人的には200Vのコンセントや騒音対策など、導入時に「ちょっと面倒だな」と感じる部分もありました。
しかし、それらを割り引いてもベストチョイスだったと満足しています。
これから焙煎機を購入予定で、以下のひとつでも心当たりのあるはぜひ候補に加えてみてはいかがでしょうか?
- コストを抑えて本格的な焙煎機を手に入れたい
- 大きな焙煎機は置くスペースがない
- 焙煎機と連動したデータロガーは必須
- 設置場所にガスが通っていない、ガスの使用がNG
- 特定のメーカーや機能にこだわりがない
- どうせならカワイイ方がいい
価格、サイズ、容量、パワフルな熱源、優れたソフトウェア等々、どこを取っても非の打ち所がないaillio BULLET R1 V2。
1kg以下の業務用焙煎機としては、しばらく「1強」状態が続くことになりそうです。
aillio BULLET R1 V2を設置しているシェアロースターや体験セミナーも増えているようなので、興味のある方は一度訪れて、実際に触ってみることをおすすめします。
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